Linuxのインストール
Turbo Linux 日本語版 3.0
RedHat 5.2日本語版についてはこちら

 UNIXサーバ管理を担当すること,Xlibを用いたプログラミングを行わねばならないことなどを考慮して,手持ちのノートにLinuxをインストールすることにしました.NTとLinuxのデュアルブートです.ここではMS-DOSによるLAN接続からは大きく内容が離れることを御了承下さい.どちらかというと Mebius PC-PJ1-M3 用の解説になってしまいそうです.しかしNTとのデュアルブートの項目は他のマシンにおいてもお役に立てるかもしれません.

 使用マシンは SHARP Mebius PC-PJ1-M3 ,「Turbo Linux 日本語版 3.0」です.RedHat5.2Jは諦めました(ioi).ハードディスクインストールができると謳っておいて不可能というのはちょっといただけません.お金出して買ったのに.FATパーティションからのインストールが不可能なのは,現在のPC事情を考えると致命的かもしれません.

 というわけでターボにしました.周囲に実績がありましたから(最初からそうしておけばよかった....).ちなみに私はインストールキットを購入したのですが,同じものがFTPから落とせます(!).しかし専用線でないと少々きついでしょうから,電話回線接続の方はキット購入をお勧めします.想像していたよりもマニュアルが非常に親切でして,一昔前のLinux参考書よりもかなり良い出来だと思います.購入の価値はあると思います.



ファイルのコピー
 
 PCMCIAであれ,とにかくメジャーなLANカードを所有していれば何も苦労することはありません.SMB,NFS,FTPインストールが可能です.しかし Mebius PC-PJ1-M3 に内蔵されている Realtek の RTL8139 は,現時点ではメジャーになりきれていないメジャーなチップです(?).カーネルを2.0.36にすれば簡単に認識してくれる優れものなのですが,デフォルトで作成されるブートディスクでは残念ながら認識してくれません.いずれ認識してくれるようになることをお祈りします.

 というわけで,素直にFATパーティションにディレクトリツリーをそのままコピーして,ハードディスクインストールを行いました.下に,現在の私のMebiusのパーティション構成を提示します.
 

 
 文字で「/dev/hdaが X MB」なんて書くよりこちらがわかりやすいですよね(笑).糞味噌にけなされているWindowsもいいところはありまして,本当に何もいいところがないなら絶対に使われなくなるはずです.確かにけなされてもしょうがないところはあるのですが (^^;.
 
 ちなみに上の図の左から順に,Linuxから見ると
Partition check:
hda: hda1 hda2 < hda5 hda6 hda7 > hda3 hda4
のようになります.デバイス名の順番がおかしいように思われるかもしれませんが,パーティションを作成する順番によって番号が振られていきます.NTのブートパーティションをまず作成し(hda1),拡張パーティション(hda2)を作成し,その中に論理ドライブ(hda5,6,7)を作成しています.そしてLinux用のルートパーティション(hda3)とスワップパーティション(hda4)を作成しております.
 
 閑話休題,プライマリパーティションはひとつのディスクに4つまでと限定されていますので,ここは上手に拡張パーティションを使用したいところです.上の状態を解説しますと,Cドライブはプライマリパーティションで,NTのシステムファイルが入っています.D〜Fはひとつの拡張パーティションを3つに仕切り,図のような容量とファイルシステムで構成しました.「不明」となっているパーティションはLinux用のルートパーティションとスワップパーティションです.
 
 Linux側からも「読み書き」を行いたいと思うとFAT16かFAT32なのですが(NTFSを読むだけならLinuxからも可能),NTでは残念ながらFAT32には対応していません.サービスパック4で対応してくれるかと期待していたのですが,見事に裏切られました (ioi).では全部FAT16にすればいいというのは自然な発想ですが,自作の各種テキストファイルやデータなど,小さめのデータを大量に作成すると,クラスタ単位が大きいFAT16だとすぐにディスクが満杯になってしまいます.特に愛用のAL-MAIL32は,1メッセージ1ファイル方式です.FAT16を使用すると1kBくらいのメッセージでも16kBを消費してしまいます.というわけでクラスタ単位が4kBのNTFSパーティションが是非欲しいと.
 
 本当は上のEとFはひとつのパーティションにしたかったところなのですが,もしFAT16でひとつにすると下手をすれば1クラスタ32kBになってしまうかも (^^;,などと考えまして,上のようにしました.FAT32が使えれば迷わずFAT32を使うところでした.....

 MISCというパーティションをLinuxとのやりとりに使う予定です.余裕を持ってCD-ROMを一枚まるごとコピーできる容量にしています.ここにTurboLinux のイメージを丸ごとコピーしました.TurboLinuxのインストーラでは問題なくマウントしてくれました(恨むべしRedHat5.2J).



インストール
 
 インストールはハードディスクイメージから行いました.FAT16のパーティションから特に問題なくインストールできました.
 
 いくつか注意事項を挙げておきます.
 
 Mebius PC-PJ1-M3 のビデオカードは NeoMagic MagicGraph 128XD でして,残念ながらデフォルトでインストールされる XFree86-3.3.2 のSVGAサーバでは起動できません.これは既知の情報でしたので,システムのインストール時にはXの項目をキャンセルして構わない.....と思ったらそうではなかったようでした(?).一応,probeまでやってみて,表示できないまでもとりあえずの設定をしておけば後々うまくいくようです.後から3.3.3にバージョンアップします.これは発売元のFTPサーバにRPM形式(インストーラ付き)で置いてあります.
 
 また,デフォルトでインストールされるカーネルは2.0.35でして,内蔵のRTL8139を使用するためには2.0.36にバージョンアップしなければなりません.しかしこれも同様に発売元のFTPサーバにRPM形式(インストーラ付き)で置いてありますので問題ありません.
 
 日本語ディストリビューションではターボが最もサポートを迅速かつ的確に行っていると思います.特に日本で人気がある理由もよくわかります.
 
 大切なことをひとつ.実は私のパッケージにはFTPにあるアップデータが収録された「アップデートCD」なるものが付属してきてました.しかも同じのが二枚も (^^;.一枚は箱の外側に貼り付けてあったのですが,恐らく中には入っていないと判断されて販売店で貼り付けられたのでしょう.しかし,このCDに入っているインストール用のシェルスクリプトはそのままでは使用できません.RPMパッケージされたファイルがいくつかありますが,「Trans.tbl」というファイルの中に記されている対応表に従ってファイル名を変更してやらなければなりません.変更してやることによって初めてインストールが可能になります.ファイル名を変更するということは,CDから直接インストールすることはできず,ハードディスクに一度コピーしてからファイル名を変更し,そこからインストールしなければなりません.

 どういう意図があってこのようにしたのかは不明です.FTPから落としてくるとロングファール名そのままでもってこれますので,私はそちらを利用しました.謎 (^^;.

 インストールにちなんで,Mebius用に自分が使用している XF86Config(XFree86-3.3.3用の設定ファイル).steprc(AfterStepの設定ファイル)を置いておきます.実は自分用のメモです.更新は頻繁かもしれません(?).あまりにも画面が狭いですから,XF86Config では仮想画面を使用しております..steprcでは,デフォルトの使用をちょっとだけ変更して自分用に使いやすくしています.大したことはやってません.どうせ普段使うのってktermとmuleとNetscapeNavigetorくらいなものですから,それにあわせています.編集はGUIではなくテキストエディタでやる方が,自由に細かいところまで設定できて好きです. 



NTとLinuxのデュアルブート

 NTとLinuxの相性はあまりよくありません.特にブート時に起動されるブートローダの関係が複雑です.Windows95/98とLinuxのデュアルブートならばLinux側が用意しているLILOを使用するの通例ですが,NTの場合は一工夫必要になります.もちろん,毎回手動でパーティションをアクティブにして切り替えるというのもありでしょうが,面倒です.

 仕組みをごく簡単に説明しますと,一般的なブートの際は,BIOSがハードディスクのCドライブにあるMBR(マスターブートレコーダー)を読みに行きます.LILOはここに入り込んで,起動パーティションを選択します.しかしWindowsのみのシステムにおいては,MBRはまずCドライブ用のブートレコーダーを読みに行くように設定されており,そこにあるWindows用のローダーがWindowsを起動します.

 よって,もしNTをインストールしている状態においてLinuxをインストールし,LILOをMBRにインストールすると,まずLILOによってWindowsかLinuxかの選択をし,ここでWindowsの方が選択されたらその直後にNTのブートローダーが立ち上がるということになります.

 LILOとNTブートローダーを比較してみていかがですか? LILOは文字を入力して選択する方式であるのに対し,NTブートローダーは日本語対応で,表示されるOSをカーソルで選んでリターンです.私の趣味ではNTブートローダーの方が好みです.

 ですから,ここではNTとLinuxがインストールされていると仮定し,NTブートローダーからNTとLinuxを選択して起動する方法を記します(ちなみにデスクトップ機は,NTと98とLinuxがNTブートローダーで選択できるように設定してあります).

 インストールはどちらを先に行っても構わないのですが,とにかくLinuxをインストールする際に,「Linuxがインストールされているルートパーティションの先頭」にLILOを書き込みます.MBRには絶対に書き込まないで下さい.やってしまったらDOSで起動して fdisk /mbr とやってください.Linuxはこの時点でLinux用のブートフロッピーから起動できるようにしておきます.

 そうやってNTとLinuxのインストールが完了したならば,まずLinuxをブートフロッピーから起動して下さい.

 ここからは例を挙げた方が理解しやすいですので,私の例を挙げます.私はNTのブートパーティションを/mnt/dos1というところにマウントしております.こちらで説明しましたとおり,NTのブートパーティションがhda1,Linuxのブートパーティションはhda3になります.LinuxのルートパーティションにインストールされたLILO(ブート情報)をddコマンドでファイル化し,それをNTブートローダから読みに行くように設定します.Linuxのコンソールから以下のように実行します.
 

dd if=/dev/hda3 of=/mnt/dos1/bootsect.lnx bs=512 count=1
 
 この命令は,/dev/hda3の先頭512byteの情報を,/mnt/dos1(NTの起動パーティション)にbootsect.lnxというファイルとして書き出すということです.もちろん他の場所にファイルとして書き出して,後からCドライブの最上階層に置くこともできます.パーティション構成によって適宜変更して下さい.
 
 この命令は,カーネル再構築(make zliloなど)の度に行う必要があります.
 
 またメモですけど,私はbootsectというシェルスクリプト(というほどでもない!)を作っております.要するに上のコマンドをmuleで書いてbootsectというファイルに保存して,chmod 755 bootsect とやっておいて,カーネルやLILOをいじくる度に実行しています.hda1がFAT16ですから,直接書き込んでますが,もしNTFSならばどこかのFATパーティションに作っておくと便利です.
 
 次にNTのブートパーティション,というかCドライブの最上階層にある boot.ini というファイルに記述を追加します.先ほど作成した bootsect.lnx を Linux という名前で起動できるようにします.
 
 正しく設定されていれば,次回PCを起動する際にNTのブートローダが起動し,そこからLinuxを選択して起動することができます.
 
 余録になりますが,正確にはNTブートローダでLinuxを選択すると,LinuxルートパーティションにインストールされているLILOが起動されます.ですからLILOでは起動までの待ち時間をゼロにしてすぐにLinuxを起動するように設定しておくと便利です.といってここで /etc/lilo.conf を編集して lilo コマンドで書き込むだけでは不足でして,lilo コマンドを実行する度に毎回上に記したddコマンドで bootsect.lnx を作成して下さい. 


RedHat Linux 5.2 日本語版
 
 アルバイトの関係で,どうしてもRedHatが必要でしたので,上で苦労して入れたTurboは消して,現在はRedHat5.2Jをインストールして使っております.
 
 インストールディスクのバグにより,FATパーティションからのインストールはできないと思われていたRedHat5.2Jですが,英語版の修正ブートイメージにより,正常にインストールを行うことができます.
 
 簡単に記しますが,まずは,

http://www.redhat.com/support/docs/rhl/rh52-errata-general.html#BootImg

から,修正されたboot.img(ブートディスクのイメージです)とsupp.img(FATパーティションからのインストールには,補助ディスクが必要となります.そのためのイメージです)を取ってきて下さい.結構大きめですが,仕方ないです (^^;.

 取ってきたならそれを日本語版のイメージと同じようにして起動用のフロッピーディスクを作成して下さい.

 日本語版のCD-ROMを丸ごとハードディスクのFATパーティションにコピーして下さい.ここの意味がよくわからない方にはインストールをお勧めはできませんが (^^;,上のTurboをインストールしたときの記事を参考にしてみて下さい.ちなみに今回の私が行ったインストールでは,パーティション構成は上と変わりません.

 その後,作成した起動フロッピーで起動します.

 インストール時の画面表示は英語ですが,さして難しいこともないと思います.問題なく日本語版をインストールできます.

 ちなみにMebius PC-PJ1-M3のグラフィックカードは,インストール時にきちんと認識してくれます (^o^).Turbo3.0よりもXFree86が新しいんですよね.

 恐らく怖いくらいにインストールが楽に完了しますが,ひとつだけ問題がありました.Xまで問題なく起動するのですが,なんとXで日本語が通ってない (^^;;;;;;;;;;;;;.なんじゃこりゃ,意味ねーなぁ....とちょっとびっくりしましたが,基本中の基本事項,LOCALEを日本語に設定してやると問題なく日本語版になりました.

 具体的には,.bashrcに「export LANG=ja_JP.ujis」と一行付け加えてやるだけです.

 tcshだったらsetenvでやるのでしょう.全ユーザに対して日本語を通したければ,/etc/bashrcに書き込んでやればいいのでしょうか? 確認してないですから断定はしませんが,localeを日本語にセットしてやれば日本語が通ることは確かです.

 ブートディスクに英語を用いたことによって,locale関連のデフォルトが英語になってしまっているのでしょう.しかし違いは今のところそれだけのようです.

 同じようにNTとのデュアルブートにしてます.それに関してはこちら


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