20GBHDへの換装と
Win2000,98,Linuxの
インストールと設定

注意事項

お寄せいただいた情報

 以下の私の記事を参考にされて,ハードディスク換装に踏み切られた方からの情報をここに掲載させていただいております.


ことの始まり

 このページへ記事を追加するのも久々です.4.3GBから20GBバイトへのハードディスクの換装と,Windows2000,Windows98,Laser5 Linux 6.2の3つのOSの導入を敢行しましたので,その記録を簡単に留め,公開することにしました.コラム風に綴ってみたいと思います.

 SHARP Mebius PC-PJ1-M3 という名機と Microsoft Windows NT 4.0 Workstation というOSの組み合わせは,私にとって最高の組み合わせだったようです.学校の研究室において,普段はデスクトップ代わりに使用し,たまにプレゼンや旅行などに持っていくという用途にはこの上ない快適性をもたらしてくれていました.購入から約1年半,この状態で使い続けて参りました.

 どのような使い方をしているかと申しますと,こんな感じです.研究室での記念撮影.外部CRT,外部キーボード,外部マウスをくっつけて,本体は折り畳んでCRTに立てかけてあるという,何ともみっともない格好で使用されております.USBやPCMCIAカードインターフェースなどの使わないコネクタ類は左側面にあり,使うコネクタは右側面と背面に集中しているため,このような使い方ができています.何から何まで私好みのマシンです(笑).

 主な仕様を挙げておきますと,

特に最後のLANカード標準装備がこのマシンを特徴付けるもので,私がひかれた点でもありました.PCカードは鬱陶しいです.800x600のディスプレイは,今となってはもの足りませんが,普段は外部CRTへ接続して使用している私にとってはあまり関係ありません.

 ところが....人間の欲望は無限大です.

 軽量B5ノートの宿命ですが,CD-ROMドライブが付属しておりません.それがこのページの開設の原動力になったわけですが,使えるものなら使いたいですよね(笑).しかしよーく考えてみてください.自宅でデスクトップPCを使用していて,CD-ROMをいちいちドライブに放り込むのって非常に面倒でしょう?....贅沢の極みですが本音です.

 研究室などでは,Linuxサーバ機でsambaを走らせ,空いているパーティションに辞書CD-ROMを丸ごとコピーしてネットワーク経由で辞書を運用しています.研究室内にいれば問題ありませんが,外出したら当然その辞書は使えません.やっぱり辞書はローカルにもっておかないと.

 その他,便利なCD-ROMや大量のMP3も(笑),丸ごとハードディスクに突っ込んでおく方が便利に決まってます.ドライブ不要,高速アクセス,運搬軽快! 

 市場を見渡すと,20GBの2.5インチハードディスクが3万円を切っています.20GBもあれば,OSをいくつか入れて,CDも必要なものを数枚ハードディスクに放り込むことができます.これは換装するしかありません.

 また,多少観点を変えてみますと,1年半前,このMebius(新品)を約21万円で購入しました.これは私にとっては非常に大金です.それなのにパソコンの製品寿命は非常に短いでしょう.少しでも製品寿命は延ばしたいものです.

 私の用途からすると,CPUパワーはあまり必要ありません.MMX Pentium 266 MHz という,現在では非力な部類に入る,既に市場からは姿を消して久しいCPUですが,重量級ソフト(MS Word など)も,何とか普通に使えています.EDOながら128MBのメモリを標準装備という仕様も効いています.普通にMPEG1やMP3の再生を行うのであれば何も問題ありません.

 私にとっての延命措置はズバリ「ハードディスクの大容量化」につきます.これさえ満たされれば後2〜3年は使えることでしょう.使命を終えたら,後はLinux専用機になって,家庭用サーバとしての任務が待っています(?).

 Windows2000についてですが,正直なところ私には特に必要なかったのかもしれません (^^;.ただ,ノートPCとWindows2000の相性が非常に良いという噂をかねてから聞いておりました.NT4.0なんて,サービスパック3を当てて初めて普通に使える状態でしたから,現時点日本語版SP1すら出ていないWindows2000には多少不安を感じておりましたが,Professional版に関しては,NT4.0 Workstation with SP6 よりもさらに安定していると聞きましたので導入してみることにしました.

 いろいろと試行錯誤したのですが,結局

という手順を踏んでいます.Windows2000オンリーだったりするのであれば,WindowsNT4.0の時と同じような手順でいけるような気がします.i386ディレクトリに移動し,「winnt」と打ってやればいけるのではないでしょうか(やってないですけど).


ハードディスクの換装

 まず,どのハードディスクが使用できるかを検討しなければなりませんでした.既に実績があるのであれば,その情報を知っておくのが最善策です.

 とりあえず,こちらのメーリングリストへ参加させていただくなどして,お尋ねしてみました.いくつかご回答をいただいたのですが,結果として

ということでした.PC-PJ1-M3より以前に発売されたPC-PJ1という機種で,20GBの換装に成功された方がいらっしゃいましたので,私も多少の人柱精神で(?)敢行しました.

 購入する商品は,

です.IBMのハードディスクは静かで発熱も少なくて信頼性も高くて素晴らしいです.特に「静寂性」は需要ですよ.将来的にサーバになるんですから(笑).

 秋葉へ出向き,kakaku.comで調べて最安値(28,100円)をつけている店へ出向いたのですが,あいにく品切れでした.twotopへも行ってみたのですが在庫なし.帰るかなぁ....と意気消沈して歩いていると,店頭にて公道へ面して堂々とハードディスクショウケースを展示している店がありました.コムサテライト3号店です.

 いやぁ,本当にあるとは思いませんでした.お姉さんに向かって「これの在庫ありますか?」と聞いたら「ありまーす!」と返ってきましたので,反射的に現金即買い (^^;. 実は「買う」と言った後で値段を確認したのですが (^^;;;,そこでは秋葉の最安値とほとんど変わらない「28,800円」でした.助かったぁ.

 余談ですが,私のハードディスク換装に触発されて,研究室のドクターの先輩が「翌日に」おなじ店に買いに行かれたようです.すると価格は「29,800円」と,1,000円ほど上がっていました.需給に敏感な秋葉ならではの価格変動です.この商品は人気商品で,価格と容量のバランスがとれてます.30GBの製品もあるにはあるのですが,45,000円を超えてましたからちょっと手が出ません.

 さーて,入手したからには,実際にMebiusのカラを開けて,換装に入ります.手順といたしましては,

となります.思っていたより簡単でした.もともと内蔵されていた4.3GBのディスクは東芝製で,8.5mm厚のものでした.それに対し20GBのものは9.5mm厚で,大丈夫かなぁと心配したのですが,ホルダはプラ製のためにある程度融通がきき,最終的に本体内にきちんと収まってくれました.

 超薄型ノートPCといえども,1mm程度の誤差は許容するようです(笑).



大容量ディスクを使うために

 さーて,ディスクを認識できるかなぁと本体を起動してみたのですが,予想通り8.4GBまでしか認識してくれませんでした.SHARPが提供する最新BIOSにアップデートしているのにダメでした.あーあ.

 とりあえずWindows98マシンで作った単純な起動ディスクにFDISKコマンドとFORMATコマンドを放り込んで起動し,FDISKを実行してみました.

 すると,FDISK自身は20GBを認識してるんですねー.おっ? と調子に乗った私は,とりあえずパーティションを切ってFDISKを終了してみたのですが,終了後にエラーメッセージが出て,どうやらパーティション情報をうまくディスクに書き込めないで終了しているようです.BIOSで「MBRへの書き込みを拒否」と設定しているわけでもありません.

 何度やってもダメでした.詳しいことはわかりませんし,わかる必要もないようですのでわかろうともしませんが,要するにダメなのです.FDISK自身がどこからディスク容量の情報を取得したのかは知りませんが,最終的に情報をディスクに書き込めていないのです.

 やっぱダメか....ということで,メーリングリストで紹介されていたユーティリティを使用します.

にある「Disk Manager Disk Go!」をダウンロードします.ダウンロードして,Windowsマシン上で実行すると,ブート用のフロッピーを作成することになります.やっぱりDOS/Vマシンの帰する所はフロッピーですね(笑).このツールはどうやらIBM製ハードディスクにのみ使用できるようです(当然か?).

 このユーティリティに関して極簡単に説明しますと,要するに「BIOSでは対応できていない大容量ディスクを,ソフト的な処理によって使えるようにしてしまいましょう!」というものです.恐らくメモリに常駐し,BIOSとOSの間に入り込んで,OSから見るとあたかも大容量ハードディスクがBIOSできちんと認識できているようにダマしてくれるのでしょう.

 ハードディスクの大容量化の速度は凄まじいですので,何とか古いマシンでも大容量ディスクを使えるようにとの,ディスクメーカーが講じた苦肉の(賢い)策とも言えます. 

 さて,実際にこのDisk Manager を使ってMebiusを起動してみます.もちろん,BIOSでブートがフロッピーから行われるようにしておいてください.

 なんやらメッセージが表示されましたら,Enterキーを押して実際の作業に入ります.

 「IBM」のロゴとともにDisk Manager が起動されますが,最初は何のこっちゃわかりません.しかしハードディスクに関する簡単な知識と,多少の英語力があれば,何とかなることでしょう.

 Welcomeな画面(?)が表示されますが,Enterキーなどを押して進んでください.

 メニューが出てきたら,「Advanced Options」を選択します.「Easy Disk Installation」なるものもありますが,これはダメです.勝手にパーティションを切ってくれまして,余計なお世話です.

 次に「Advanced Disk Installation」を選択します.ドライブのリストが現れます.接続されているディスク一覧が出てきますが,正しければ「Yes」を選択します.

 そうすると,次は何やらOSのリストが出てきますが,私はWindows98用のプライマリパーティションをFAT16でとりあえずひとつ作りたかったので,上から2番目のヤツ(FAT16・32)を選択しました.

 「FAT32を使うか?」との質問がありますが,やはり筆頭のプライマリパーティションはFAT16が安全確実ですので「No」を選択しました.

 次からが本番です.「Select a Partition Options」と題されたリストが出てきています.ここでは「OPTION (C) Define your own」を選択します.当然です.(A) と (B) は,勝手にパーティションを切ってくれるそうで,死ぬほど余計なお世話です. 

 次に出てくるダイアログでは,プライマリパーティションの容量をMB単位で聞いてきます.とりあえず過去の経験から,Windows98用プライマリパーティションの容量ということで「1,200MB」としました.数値を入力したらEnterです.

 次にまた余計なお世話をしてくれます.よーわからんのですが,プライマリパーティションを1個作ると,勝手に拡張パーティションを作ってくれて,さらに論理ドライブの容量まで質問してきます.どうしても全容量を使ってほしいんでしょうね.後から全部使うからちょいとだまっててよって感じです.

 何か聞いてきたら,とにかくEscキーを押しましょう.次にTabキーを押してみます.すると赤いウィンドウが出て「拡張パーティションに論理ドライブがないぞ!」なんて怒られますが,無視してAlt + Cを押しましょう.

 するとパーティションリストにカーソルが移りますので,Extended(拡張パーティション)にカーソルをあわせ,Delキーを押して拡張パーティションを消してしまいました.これは後からLinuxをインストールしようと考えたためです.

 ここまで設定したら,「Save and Continue」を選択して続けていけば良かったのではないでしょうか.あとは英語を読んで指示に従ってください.実際にインストールし,パーティションを切るだけです.

 DOSのFDISKも,ここで使ったDisk Managerも,プライマリパーティションをひとつ作ったら後は全部を拡張パーティションにするべきのように振る舞います.しかし,ひとつのディスクにはプライマリと拡張をあわせて4つ持てる仕様です.私はプライマリを3つ,拡張を1つ作る予定ですから,ここで拡張パーティションを勝手に作ってくれるのは非常に余計なお世話なのです.後々,LinuxのFDISKにて作業することになります.

 このツールの有用性は認めますが,全般的にわかりにくく,とにかく余計なお世話が多いですので気を付けましょう.

 さて,お次はWindows98のネットワークインストールです.注意事項ですが,このDisk Manager をインストールした直後にOSをインストールしないと,なんだか変なことになるようです



Windows98のインストール

 前節に続いてインストールしなければならないのですが,結局ネットワークインストールすることにしました.

 最終的には次のようなパーティション構成になるのですが,

 現段階では最左端のパーティションしかありません.

 作成したFATパーティションをあまり刺激したくありませんでしたので(?),ブートフロッピー1枚でネットワークを認識できるディスクを使用しました.もりさんのページの「フロッピー1枚でネットワークに接続」の情報を元にそのまま作成しました.一枚作っておくときわめて便利です.ただ,そのままでは少々問題がありましたので,EMM386やdevicehighを用いてコンベンショナルメモリを増やしてます.

 書き直すべきファイルにはリンクしています.参考にどうぞ.ただし詳細はもりさんのページや本文等を参考にしてください.

以下ディスクの内容
-----------------------------------------------------
 A:\ のディレクトリ

1999/05/05  22:22              136,615 EMM386.EXE
1999/05/05  22:22              118,174 COMMAND.COM
1999/05/05  22:22               36,647 HIMEM.SYS
2000/08/11  16:58       <DIR>          wgc
2000/08/11  17:00                   42 AUTOEXEC.BAT
2000/08/11  18:56                  218 CONFIG.SYS
1999/05/05  22:22               79,964 FDISK.EXE
1999/05/05  22:22               65,143 FORMAT.COM
1999/05/05  22:22                3,958 XCOPY32.EXE
1999/05/05  22:22               53,248 XCOPY32.MOD
               9 個のファイル             494,009 バイト
               1 個のディレクトリ           4,096 バイトの空き領域
-----------------------------------------------------
 A:\wgc のディレクトリ(上の表のwgcディレクトリの中身です)

2000/08/11  16:58       <DIR>          .
2000/08/11  16:58       <DIR>          ..
1992/10/01  03:11                7,268 WORKGRP.SYS
1992/10/01  03:11               70,629 NET.MSG
1992/10/01  03:11              104,570 NETH.MSG
1992/10/01  03:11               37,515 NETWORK.INF
1998/06/01  20:07                  641 OEM0.INF
1992/10/01  03:11               21,680 PROTMAN.DOS
1992/10/01  03:11               13,760 PROTMAN.EXE
2000/08/11  16:51                  312 PROTOCOL.INI
1999/07/28  10:20               53,751 RTSND.DOS
1992/10/01  03:11                1,472 SETUP.INF
2000/08/11  17:05                  606 YINADA.PWL
1992/10/01  03:11              415,252 NET.EXE
2000/08/13  00:32                  160 CONNECT.DAT
2000/08/11  17:05                  184 SYSTEM.INI
2000/08/14  06:32                  115 d
              15 個のファイル             727,915 バイト
               2 個のディレクトリ           3,584 バイトの空き領域
--------------------------------------------------------

 LANマネージャにはTCP/IPで通信できるというメリットがありますが,どうせWindowsマシンを相手にするんでしたら,ネットワークのプロパティをいじって,Windowsマシン側でNetBEUIを使用できるようにしてワークグループコネクションを使用した方が,簡単確実でしょう.

 そして例のごとくデスクトップWindowsPCのCD-ROMドライブをマウントして,そこからWindows98SEのCDを認識して,CDを丸ごとコピーしてからインストール....と行きたかったのですが,なぜかフルコピーが出来ませんでした.ワークグループコネクションが悪いのかデスクトップPCが悪いのか,CD-ROM自体がそういう仕様なのかよくわからないのですが,とにかくダメでしたので,直接「setup.exe」を実行しました.

 インストーラは日本語なのに,上で作って使用しているブートディスクが英語なので文字化けしています,が,

で何だかうまくいきましたよ.GUIのWindows98インストーラが起動します.

 なんだか調子よくいくので,そのままいけるかなぁと思いきや,とんでもないところで躓きました.ネットワークカードをPlug&Playで認識する前に,インストール中に一度再起動になってしまうのです(^^;.これがどれほど致命的かわかります?

 ネットワーク経由でインストールしていたのに,ネットワークカードをWindows98から認識しないままインストール作業中にワークグループコネクションを通さずに再起動するとなると,もうネットワーク経由でCDが読めないのです.

 これって一体なんなんでしょうね.ネットワークインストールのことなんて何も考慮されていないのか,それとも意図的に苦労させようとしているのか.....ねぇ.

 というわけで,とにかくインストール作業を終わらせることにします.なんか「普通は選択しないください」とカッコ書きされた選択肢を平気で選んだような気がします.

 とにもかくにもWindows98をインストールし,何とか起動させました.ここから一勝負です.CDのコピーはハードディスク上になく,Windows98からはLANカードを認識できていないし,このままでは認識させることもできない.....

 解決策として,CDの中の「:\win98」ディレクトリ下にあるcabファイルをワークグループコネクションで再度ハードディスクにコピーすることにしました.さっきはコピーできなかったのにねー.なんとかうまく行ったようです.

 そうそう,Windows98を起動するときはBIOSで「Plug&Play OSを使用しているか?」という項目で「Yes」としておくべきなんですが,ワークグループコネクションを使用する際は必ず「NO」にしないと,カードは認識しているようなのになぜか相手方のPCが見えないという現象に悩まされますのでご注意ください番匠さんからの情報を参照).

 LANカードであるRTL8139用のドライバはフロッピーで供給し,何とかなりました.ネットワークさえWindows98上から見えればこっちのものです.

 お次はLinuxをインストール,ということで,LinuxのキットCDをWindows98のパーティションにそのままコピーしました.



Linuxのインストール

 重要なことを忘れないうちに記しておきます.確かE-IDEハードディスクの仕様だったと思うのですが,ディスクにおいてOSブートローダとOS本体は,先頭から数えて1024シリンダ内に書き込まれていなければなりません

 ここで私が使用しているディスクはシリンダ数が2400ほどあったと思いますから,先頭から半分以下の領域内にOSを入れてあげないといけません.これだけは気を付けてください.

 そう考えると,シリンダ数でパーティションを指定するLinuxのFDISKは非常に優れものです.

 Linuxのインストールは楽でした.ほんとに楽ですよ.FAT16パーティションにインストールキットを丸ごとコピーしたら,DOSモードに入り,dosutils/autoboot.batを実行してやればインストールが始まります.

 使用したキットは LASER5 Linux 6.2 フリー版です.

 試しにブートディスクを「ネットワークインストール用」のものを作って,インストールしてみたのですがFTPインストールも可能なようでした.しかし,やっぱりローカルのディスクからインストールするのが高速安全確実です.

 FATパーティションからインストールするように指定します.

 さて,次が問題なのですが,なんだか最近のLinuxインストールキットには非常に便利そうな「Disk Bruid」というパーティション作成ソフトが付属しているようですが,どうも挙動がおかしかったのです.ですから,古典的で確実なFDISKを使うことにしました.

 以下の画像において,左から2番目と3番目がLinuxのパーティションです.Windows2000で見るとこのようにボリュームラベルが見えないんですね(当然か).

LinuxはLinuxだけで完結させるため,キットをインストールするパーティションとスワップパーティションをそれぞれプライマリパーティションで作成してやりました.拡張パーティションを丸々Windows2000に当ててやることにより,多少はシステム操作のミスを防ぐことができるかと思いました.

 本来であれば,homeディレクトリやらvarディレクトリなどを別パーティションにするのでしょうが,特にサーバ専用機ではなく,新しいキットが出たらそれに入れ直して遊ぼうなんてたくらんでますので,このようにシンプルというか,初心者がとりあえずLinuxを使ってみようとするときの構成のようになってしまいました.ま,いいんじゃないっすか?

 LinuxのFDISKは多少面倒ですが,最もこちらの意図通りにパーティションを切ってくれます.シリンダ数と容量の比を計算しておかないといけませんが,とにかくかっちりとやろうとすると,このツールが最も有用です.

 Disk Bruid を一度使ってみたのですが,ひとつめのLinux native パーティションをプライマリで作成してくれるところまでは良いのですが,ふたつめ以降はなぜか勝手に拡張パーティションを作成し,その中に論理ドライブとして作ってくれるのです.

 もちろん,Linux,WindowsNT系は,拡張パーティションにも自由にインストールできますが,気持ち悪いのでLinuxはプライマリ,Windows2000は拡張パーティションという前提で,FDISKを使用してかっちりと作成しました.そうそう,2000用のパーティションもこの時点で私は作成しました.

 LinuxのFDISKのメリットを挙げますと,

などでしょうか.上の画像はWindows2000のものですから,ext2パーティションは不明なパーティションとして扱われています.LinuxのFDISKの欠点は,操作がキャラクタベースで,お世辞にも親切とは言えないところでしょうか.慣れると速くて確実なのですが.

 さて,もう一つの注意点としてましては,LILO(Linuxのブートローダ)をインストールしたパーティションの先頭に書き込むことです.こちらでも解説しておりますとおり,Windows2000,Windows98,Linuxのトリプルブートを実現するためにはそうしなければなりません.

 さらに忘れてはならないのが,LILOフロッピーの作成です.もちろん作り忘れても起動するすべはあるのですが,面倒なことをいちいちやりたくないでしょう.ねぇ.

 とりあえずWindows2000がをインストールするまでは,Linuxはフロッピーからブートすることにしておきます.さーて,お次は仕上げのWindows2000インストール!



Windows2000のインストール

 前節と重複して記しておきますが,確かE-IDEハードディスクの仕様だったと思うのですが,ディスクにおいてOSブートローダとOS本体は,先頭から数えて1024シリンダ内に書き込まれていなければなりません

 ここで私が使用しているディスクはシリンダ数が2400ほどあったと思いますから,先頭から半分以下の領域内にOSを入れてあげないといけません.これだけは気を付けてください.

 そう考えると,シリンダ数でパーティションを指定するLinuxのFDISKは非常に優れものです.

 Windows98がインストールされていて,しかもその上でネットワークが認識できているのでしたら,そこからインストールするのが良いでしょう.私もそうしましたし,非常に楽でした.よくできてます.

 ただ,直接Windows2000のみをインストールするのであれば,NT4.0をインストールするときと同じような技が使えそうな気がします.ディレクトリ構成,i386\winnt.exeの存在など,基本的なインストール時のステップは同じようです.

 ワークグループコネクションを通じてi386ディレクトリをxcopyを使って丸ごとローカルハードディスクに落とし,winnt.exeを実行したらあっさりインストールできたりして (^^;.そうすればよかったかしら.もし出来た方がいらっしゃいましたら,情報をお寄せください.

 とにかく,私はWindows98上からインストールしました.

 ファイルを一旦ローカルにコピーするところまではGUIで進みましたが,その後再起動した画面はNT4.0のインストーラとほぼ同じでした.細部で多少親切になっているようです.

 間違っても,Windows98やLinuxのパーティションにインストールしないでくださいね.下の図で行くと,拡張パーティションの先頭がWindows2000のシステムパーティションとなっています.

 この容量比だと,確実に1024シリンダ内にOSが入ってますよね.「比」の問題です.シリンダ数2400で20GBですから.

 ほかに何か気を付けることがあったかなぁ....Windowsのインストーラは親切ですし,インストーラが日本語ですので指示に従えば問題なさそうです.Windows2000にとっては,Mebius PC-PJ1-M3のデバイスはモデムを除いて枯れたデバイスだったようで,ほとんどをPlug&Playで認識してくれました.

 Windows2000のインストーラは,これまでのどのバージョンのWindowsよりも親切で丁寧に作り込まれています.しかし,インストールの所要時間は最も長いような気がしますので,根気強くお待ちください.



トリプルブート

 Windows2000,Windows98,Linuxのトリプルブートを実現しましょう.

 まず,Windows2000(NT)と98のデュアルブートは簡単です.特に,Windows95/98をまずインストールしておいて,Windows2000(NT)を後から異なるパーティションにインストールすると,Windows2000(NT)のインストーラが自動的にWindows95/98の存在を検知して,ブートローダのリストに加えてくれます.

 ですから,上ではWindows98を先にインストールしたのです.楽です.面倒なことは何もしなくていいのです.

 Windows2000(NT)を先にインストールしておいて,後からWindows95/98を他のパーティションにインストールした場合,私はどうなるのか知りません.恐らくMBRはWindows95/98のものに置き換えられ,一度2000(NT)が起動できない状態になるでしょう.2000(NT)の復旧ディスクか何かがあれば,MBRを書き換え,前述のように2000(NT)のブートローダで選択できるようになるのではないかと思っております.しかし自信がありませんでしたので,私はWindows98を先にインストールしました.

 さて,お次はLinuxです.こちらで全く同じ解説をしているのですが,今回のケースにあわせて具体的なところを書き直してみます.

というパーティション構成になっていますが,上の図の左から順に,Linuxから見ると

     Partition check:
     hda: hda1 hda2 hda3 hda4 < hda5 hda6 hda7 hda8 hda9 >

となっています.このときhda4というのは拡張パーティション全体を指し,実際の拡張パーティション内の論理ドライブはhda5〜9になります.

 しかしそんな話はどうでもよく (^^;,関係してくるのはWindows98とLinuxのパーティションです.つまりhda1とhda2だけです.

 仕組みをごく簡単に説明しますと,一般的なブートの際は,BIOSがハードディスクのCドライブにあるMBR(マスターブートレコーダー)を読みに行きます.LILOはここに入り込んで,起動パーティションを選択します.しかしWindowsのみのシステムにおいては,MBRはまずCドライブ用のブートレコーダーを読みに行くように設定されており,そこにあるWindows用のローダーがWindowsを起動します.

 よって,もしNTをインストールしている状態においてLinuxをインストールし,LILOをMBRにインストールすると,まずLILOによってWindowsかLinuxかの選択をし,ここでWindowsの方が選択されたらその直後にNTのブートローダーが立ち上がるということになります. 

 LILOとNTブートローダーを比較してみていかがですか? LILOは文字を入力して選択する方式であるのに対し,2000(NT)ブートローダーは日本語対応で,表示されるOSをカーソルで選んでリターンです.私の趣味では2000(NT)ブートローダーの方が好みです.

 ですから,ここでは2000(NT)とLinuxがインストールされていると仮定し,2000(NT)ブートローダーから2000(NT)とLinuxを選択して起動する方法を記します

 インストールはどちらを先に行っても構わないのですが,とにかくLinuxをインストールする際に,「Linuxがインストールされているルートパーティションの先頭」にLILOを書き込みます(ここではそう設定しましたよね).MBRには絶対に書き込まないで下さい.Linuxはこの時点でLinux用のブートフロッピーから起動できるようにしておきます(ここではそう設定しましたよね).

 まずLinuxをブートフロッピーから起動して下さい.

 ここからは例を挙げた方が理解しやすいですので,私の例を挙げます.私はWindows98のブートパーティションを/mnt/dos1というところにマウントしております.Windows98のブートパーティションがhda1,Linuxのブートパーティションはhda2になります.LinuxのルートパーティションにインストールされたLILO(ブート情報)をddコマンドでファイル化し,それを2000(NT)ブートローダから読みに行くように設定します.Linuxのコンソールから以下のように実行します.
 

dd if=/dev/hda2 of=/mnt/dos1/bootsect.lnx bs=512 count=1
 
 この命令は,/dev/hda2の先頭512byteの情報を,/mnt/dos1(Windows98の起動パーティション)にbootsect.lnxというファイルとして書き出すということです.もちろん他の場所にファイルとして書き出して,後からCドライブの最上階層に置くこともできます.パーティション構成によって適宜変更して下さい.
 
 この命令は,カーネル再構築(make zliloなど)の度に行う必要があります.
 
 またメモですけど,私はbootsectというシェルスクリプト(というほどでもない!)を作っております.要するに上のコマンドをmuleで書いてbootsectというファイルに保存して,chmod 755 bootsect とやっておいて,カーネルやLILOをいじくる度に実行しています.hda1がFAT16ですから,直接書き込んでますが,もしNTFSならばどこかのFATパーティションに作っておくと便利です.
 
 次にWindows98のブートパーティション,というかCドライブの最上階層にある boot.ini というファイルに記述を追加します.先ほど作成した bootsect.lnx を Linux という名前で起動できるようにします.
 
 正しく設定されていれば,次回PCを起動する際に2000(NT)のブートローダが起動し,そこからLinuxを選択して起動することができます.
 
 余録になりますが,正確には2000(NT)ブートローダでLinuxを選択すると,LinuxルートパーティションにインストールされているLILOが起動されます.ですからLILOでは起動までの待ち時間をゼロにしてすぐにLinuxを起動するように設定しておくと便利です.

 といってここで /etc/lilo.conf を編集して lilo コマンドで書き込むだけでは不足でして,lilo コマンドを実行する度に毎回上に記したddコマンドで bootsect.lnx を作成して下さい. 



使用感,雑感など

 まず,20GBハードディスクについて.

 とにかく,容量が大きいことはいいことです(爆).広い広い.遠慮がいりません.3万円の追加投資でMebiusの寿命が2〜3年は延びたと思います.

 既に英会話用CDをMP3化したものや,辞書,その他大容量のデータ等をディスクにコピーしましたが,まだまだ余裕.いい感じ.

 次に,OSについて.

 とりあえず,トリプルブート環境が整い,様々な作業もWindows2000上で行うようになっています.これから先も,メインはWindows2000で,たまにLinux,極希にWindows98を使うこともありそうですが,基本的にWindows98は保険ですから,起動されることはほとんどないでしょう.....

 NT4.0 Workstation with SP6 の安定性はかなりのものでしたが,さらに安定している上に,高度な電源管理,USBなどへの対応,DOS系Windows以上の Plug & Play ,などなど,Windows2000 Professional はノートPCユーザにとって非常に良い選択肢のひとつと言えます.

 「Windows2000はビジネス用」なんてマイクロソフト自身がアナウンスしていますが,それは妥当ではありません.NTの安定性にDOS系Windowsの使いやすさがプラスされ,Windows系列のOSとして集大成に当たるものでしょう.

 実際この文書もMebius + Windows2000上で書いておりますが,私が日常使っているソフト,周辺機器でWindows2000上で使えないものは今のところ内蔵モデム以外は見当たりませんし,非常に安定していて,NT4.0のときよりも全体的にレスポンスがよくなっています.

 Windows2000から受けるイメージは,この形態をとるこの手のOSは,このWindows2000で完成となるんだろうなぁ,ということです.「この形態をとるこの手のOS」とはつまり,「現行のキーボードとCRTとマウスを標準入出力デバイスとするGUIを備えたOS」とでも換言できるでしょうか.

 以後,どのようなOS出てくるんでしょうね.というか,どんな電子デバイスが出てくるのでしょうか.楽しみです.

 というわけで,Mebius PC-PJ1-M3 延命措置計画のご報告,これにて終了いたします.おつきあいいただき,ありがとうございました.


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