MS-DOSでLAN接続
 Windowsなどで手軽にネットワークを組め,主要なアプリケーションもWindows上で使用されるようになった現在,MS-DOSでLAN接続する必要性は日常的な使用においてほとんどないでしょう.
 
 必要性があるとすれば,既にここで触れましたとおり,CD-ROMドライブのないPCにネットワーク経由でOSをインストールする場合くらいです.逆にネットワーク経由でのOSのインストールを実現するためには,MS-DOSのブートフロッピーでPCを起動してネットワーク接続を実現するのがベターです.
 
 具体例を交えて解説していきます.ここからが本番です.

使用ソフト紹介
 MS-DOSでWindowsネットワークへの接続を実現するソフトとして,マイクロソフトから以下の3種類が提供されています.
 
 
 この3つは上から順に高機能ですが,前の2つは今回の目的であるPeer to Peer接続には不必要(TCP/IPプロトコルやIPXプロトコルへの対応など)な機能が多く含まれており,設定も面倒です.さらに機能が多いということは余計にメモリを消費します.大量のメモリ消費はMS-DOS下ではクリティカルな問題です.
 
 コンベンショナルメモリという言葉を御存知でしょうか.御存知でない方のために簡単に記しておきますと(余談です),その昔,IBM-PCにて採用されたIntelの16bitCPU,8086というCPU(現在のPentiumシリーズのご先祖様)はその構造上,メインメモリの容量に640KBという制限がありました.このメモリがコンベンショナルメモリです.当然,MS-DOSモードのデフォルトではコンベンショナルメモリにしかアクセスできません.
 
 この640KBという壁を打ち破るために「苦肉の策」としてHMSやXMSやEMSなどという手法を用いてメインメモリを拡張することになりました.ページングという手法を用いて,コンベンショナルメモリの一部を外部に増設されたメモリの「窓口」として使用し,その窓口を通してさらに広いメモリ空間と情報をやりとりするという,なんとも面倒な手法を取るしかありませんでした.CPUから直接増設メモリにアクセスすることはできなかったのです.
 
 さらに悲しいことに,拡張メモリを利用するアプリケーションソフトは,そのソフト自体が拡張メモリの使用に対応している必要がありました.OSが動的に自由にメモリを割り当てることはできないのです.コンベンショナルメモリ上にデータが存在しないと起動できないようなMS-DOS用のアプリケーションソフト(拡張メモリ未対応のソフト)が「多く」あり,使用するソフトに応じて「CONFIG.SYS」や「AUTOEXEC.BAT」などを書き換えて設定を変えてあげなければなりませんでした.これがまた面倒なのです.
 
 重要なことは,大きな増設メモリを搭載しても640KBという壁が常に付きまとっていた,ということです.
 
 8086の後継CPUである80286以降,最大メモリ空間は増大していきました.286ネイティブモードは日の目を見ることがありませんでしたが,上位互換の32bitCPUである80386から備わった広大なメモリ空間へのアクセス手法を利用することにより,現在のWindowsはメモリをいわば「自由」に使用できるようになりました.
 
 しかしMS-DOSモードで起動すると386以降のCPUは高速な8086として機能します.MS-DOSで起動する限りデフォルトでは640KBのメモリしかアクセスできないのです.この容量は,現在エントリークラスのマシンですら64MBくらいは積んでいることを考えると信じられないくらい小さなメモリ空間です.
 
 少々話が横道にそれてしまいましたが,紹介した3つのアプリケーションのうち,前の2つはメモリを多く消費します.下手をするとメモリ関連の面倒な設定が必要になるかもしれません(これが言いたかっただけです).
 
 よって,今回は比較的面倒な設定が必要のない3番目のWorkgroup Connectionを使用することにします.インストールも比較的簡単で,Peer to Peer 接続には十分な性能を発揮します.ただし,このソフトはネットワーク上(ここでは相手のデスクトップ機)のディスクやプリンタなどにアクセスすることを実現しますが,ローカルの資源(ノートPC側のディスクなど)を外部(デスクトップ機など)に対して提供することはできません.つまりWindows側からアクセスすることはできません.
 
 探してみたところ,以下のFTPサーバーに置いてあるようです.1MB弱です.もしここにないならArchieなどで「mswgcn」で検索してみて下さい.
 
 ftp://ftp.microsoft.com/Softlib/MSLFILES/mswgcn.exe
  
 一応,この Workgroup Connection にもデフォルトで主なネットワークカード用のドライバが用意されていますが,どれも古いですので専用のドライバを準備するのが得策でしょう.3ComやNE2000の互換カードならデフォルトのものでも行けるかもしれません.
 
 ちなみに Mebius PC-PJ1-M3 に内蔵されているネットワークカードはRealtek社製RTL8139でして,そのドライバは
 
http://www.realtek.com.tw/htm/download/cgi/DLd1.cgi?model=RTL8139%28A%2FB%2FC%2F8130%29&type=2
 
にて入手可能です.頻繁にページ構成が変更されるようですので,デッドリンクになっているときはトップページから辿ってください.様々な環境におけるドライバが用意されています.
 
 Workgroup Connection で必要なものはとにかくDOS用のもので,NDIS2-8139(xxx).EXEなのですが,OEM用をダウンロードして解凍すると,DOS,NT,Linuxなど考えられるほぼすべての環境のドライバが入手できて便利です.解凍後にできるNDIS2DOSというディレクトリの下にあるファイルが Workgroup Connection において必要とされるものです.
 
 尚,紹介した3つのソフトのうち,LAN Manager と Network Client for DOS はTCP/IPプロトコルに対応しております.環境によってはTCP/IPプロトコルしか使用できない場合も大いにありえますので,その場合は前田さんのこちらのページをご参照下さい.LAN Manager のセットアップについて詳細が記してあります.

Workgroup Connectionのセットアップ
 
 注意事項!

 ハードディスクをフォーマットしてしまった後にMS-DOS上からネットワークを認識できないと,正規のCD-ROMドライブを購入する以外に復旧の道はなくなってしまいます.

 以下の本文ではノートPCのハードディスクにパーティションを切ってフォーマットするところから始まっておりますが,インストール対象であるPC(ノートPC)のディスクをフォーマットする前に,現在Windows95/98などのOSがインストールされている状態で Workgroup Connection をインストールし,MS-DOS起動フロッピーを作成・起動して,実際にMS-DOS上からネットワーク接続が可能なのかを必ず確認してください.

 このページの内容に従って読者様が様々な操作を行った結果につきまして,私は一切の責任を負いかねます.読者様の責任において操作を行って下さい.

 わからないところがあるといった場合のご質問や記述に間違いがあるといったご指摘は,メールにてお知らせください。しかし機種固有の問題については、筆者には分かりかねます(全てのハードを所有しているわけではないため)

 
 番匠さんからの情報によりますと,BIOSの設定画面で「Plug & Play OS を使用しているかどうか」という項目があれば,それを「No」にしておかないとDOS上では(Linuxなどでも)うまくいかないようです.Mebiusシリーズについては番匠さんからの情報をご参照下さい.
 
 最終的にはNTをインストールすることを目的としておりますので,ノートPCのCドライブの第1パーティションはFAT16でフォーマットすることを強くお奨めします.NTFSで第1パーティションをフォーマットしますと,MS-DOSに装備されているFDISKではNTFSパーティションを削除することはできません.第1パーティションをDOSから認識できるようにしておくと,いざというときに幸せになれます(経験者談).
 
 また,Windows95/98に関しましても第一パーティションはFAT16の方が好ましいでしょう.もちろんFAT32でも,ブートディスクがWindows95のOSR2以降かWindows98であれば問題なく読み込めます.
 
 ちなみに Mebius PC-PJ1-M3では4.3GBのハードディスクが備わっております.NTのインストールはCD-ROMのI386というディレクトリをハードディスクに丸ごとコピーしてハードディスクから直接実行できます.ついでにサービスパック4もコピーしておこうということで,私はCドライブの第1パーティションを750MBにし,FAT16でフォーマットしました.
 
 1.44MBフォーマットされた空のフロッピーディスクを最低2枚準備してください.各段階においてそれぞれバックアップを取っておくことをお奨めします.
 
(1)セットアップディスクの作成
 
 セットアップディスクは, Workgroup Connection をハードディスクへセットアップするものです.フロッピーからブートするのにハードディスクへソフトをセットアップするのは何だか変な感じがする方もおられるでしょうが,そうするしかないようです (^^;.
 
 1枚目のフロッピーを準備してください.
 
 入手した Workgroup Connection (入手についてはこちらを参照)を,デスクトップ機上などで展開し,展開されたファイルをフロッピーディスクへ丸ごとコピーしてください.このディスクには「 Workgroup Connection セットアップディスク」と記入しておいてください.さらに入手したドライバもこのディスクにコピーしておくと良いでしょう.
 
 ちなみに Mebius PC-PJ1-M3 の場合は,こちらで入手したドライバのうちNDIS2DOSというディレクトリをディレクトリごとそのフロッピーにコピーします.フロッピーの容量は何とか足りたようです.足りない場合は他のフロッピーにドライバだけコピーしてください.
 
 以上の作業でできあがったフロッピーディスクの内容は以下のようになっております.表1の例だとcommand.comが放り込んでありますが,特に必要ありません.
 
表1:Workgroup Connection セットアップディスク
 ドライブ A のボリューム ラベルはありません。
 ボリューム シリアル番号は 7C7E-A38B です

 A:\ のディレクトリ

92/10/01  03:11a                 5,538 WORKGRP.SY_
92/10/01  03:11a                 6,347 AM2100.DO_
92/10/01  03:11a                 3,911 CONNECT.TXT
92/10/01  03:11a                    50 COUR_ALI.TPL
92/10/01  03:11a                    24 COUR_EX.TPL
92/10/01  03:11a                   131 COUREXT.TPL
92/10/01  03:11a                   148 COURIER.TPL
92/10/01  03:11a                11,004 DEPCA.DO_
92/10/01  03:11a                 7,471 E20NDIS.DO_
92/10/01  03:11a                 7,888 E21NDIS.DO_
92/10/01  03:11a                 5,349 ELNK.DO_
92/10/01  03:11a                 7,318 ELNK16.DO_
92/10/01  03:11a                 9,179 ELNK3.DO_
92/10/01  03:11a                 8,172 ELNKII.DO_
92/10/01  03:11a                 7,454 ELNKMC.DO_
92/10/01  03:11a                10,308 ELNKPL.DO_
92/10/01  03:11a                 4,858 ENGMAI.GL_
92/10/01  03:11a                67,616 ENGMAI.HL_
92/10/01  03:11a                 8,064 EXP16.DO_
92/10/01  03:11a                 5,276 I82593.DO_
92/10/01  03:11a                 7,062 IBMTOK.DO_
92/10/01  03:11a                   904 LM21DRV.UPD
92/10/01  03:11a                39,794 MAIL.EX_
92/10/01  03:11a               159,575 MAIL1.EX_
92/10/01  03:11a                 9,560 MICRO.EX_
92/10/01  03:11a                 8,361 MK360.BAT
99/03/08  04:15a                   967 mswgcn.PIF
92/10/01  03:11a                12,375 NDIS39XR.DO_
92/10/01  03:11a                 9,621 NE1000.DO_
92/10/01  03:11a                 9,865 NE2000.DO_
92/10/01  03:11a               250,066 NET.EX_
92/10/01  03:11a               35,106 NET.MS_
92/10/01  03:11a                44,969 NETH.MS_
92/10/01  03:11a                12,541 NETWORK.IN_
92/10/01  03:11a                 5,515 NI6510.DO_
92/10/01  03:11a                46,330 OLITOK.DO_
92/10/01  03:11a                13,718 PRO4.DO_
92/10/01  03:11a                30,224 PRORAPM.DW_
92/10/01  03:11a                 8,944 PROTMAN.DO_
92/10/01  03:11a                 6,010 PROTMAN.EX_
92/10/01  03:11a               236,170 SETUP.EXE
92/10/01  03:11a                 1,472 SETUP.INF
92/10/01  03:11a                12,273 SMC_ARC.DO_
92/10/01  03:11a                11,706 SMCMAC.DO_
92/10/01  03:11a                30,176 STRN.DO_
92/10/01  03:11a                    85 SYSTEM.IN_
92/10/01  03:11a                 6,659 TLNK.DO_
92/10/01  03:11a                12,541 360NETWO.IN_
99/03/08  04:28a                     0 CONFIG.SYS
99/03/08  04:28a                     0 AUTOEXEC.BAT
99/03/08  05:34a        <DIR>          NDIS2DOS
98/06/12  08:01p               118,164 Command.com
              52 個のファイル        1,316,859 バイト
                             70,656 バイトの空き領域

 
(2)ブートディスクの作成
 
 追記です!
 
 Windows95をセットアップする際に,日本語・英語モードをJP,USコマンドで切り替えられ,日本語キーボードを使用でき,メモリも広く使えるブートディスクの作成してみました.こちらです.下の作り方に比べて少々面倒ですが,DOSベースで何かやりたいという方にはこちらが便利でしょう.
 
 実はこちらの方がお奨めかもしれません (^^;.一度作ってしまえばかなりオールマイティなディスクです.
 
 また,PCMCIAを介したLANカード使用についてはこちらに情報ページを作成しています.参考にしてください.イネイブラーの使用方法などは環境や機種にかなり依存しているようですので,ケースバイケースで作成して下さい.また,成功した場合には各種設定情報をご一報いただけると幸いです.
 
 上で紹介した内容は,以下に示すのブートディスク作成の解説と相互に関連しておりますので,両方を確認しながら行って下さい.
 
 ブートディスクはMS-DOSを起動できれば十分であり,作り方にも様々な方法があるでしょうが,ここでは私個人的に最もお奨めのものを紹介したいと思います.Windows98で起動されるマシンが最低一台あるとして解説を進めますが,Windows95でもほぼ同様でしょう.
 
 2枚目のフロッピーを準備してください.「Workgroup Connection ブートディスク(Windows98)」などと,わかりやすいようにラベルを貼っておいて下さい.
 
 まず,Windows98上でブートディスクを作成します.マイコンピュータやエクスプローラでフロッピーディスクのアイコン上で右クリックし,「フォーマット」を選択して下さい.必ず「起動専用」としてフォーマットして下さい.起動用のシステムファイルをコピーする必要があります.
 
 MS-DOSさえ起動できれば Workgroup Connection のセットアップは可能です.ただしブートディスクで起動した際に,ファイルをコピーするためのCOPYコマンド,ネットワーク接続してCD-ROMのディレクトリをディレクトリごとコピーするためのXCOPYコマンド,ディレクトリを丸ごと消去するためのDELTREEコマンドなどは最低限使用できるように設定したいところです.
 
 MS-DOSコマンドの詳細につきましては,KENTOLICさんご制作のこちらのページを参照して下さい.MS-DOSのコマンド使用方法一覧が参照できます.KENTOLICさんに感謝いたします.
 
 これらのファイル(例えばXCOPY.EXEなど)はWindows98のシステムがインストールしてあるディレクトリの下にある「command」というディレクトリの下に存在します(一般に c:\windows\command の下ということになります).
 
 注意すべき点として,例えばXCOPY.EXEは単体では動作せず,XCOPY32.MODというファイルが実行の際に必要になります.EXEファイルのみを入れてみて動かないときはエラーメッセージが表示されると思いますので,そのメッセージに従ってください.
 
 デスクトップ機にWindows98環境が存在するのであれば,とりあえず Workgroup Connection をインストールした後に,ブートディスクに必要なファイルを適宜追加するといったことが可能ですが,例えばWindows98が今からフォーマットしようとしているノートPC側のハードディスクにしかないとしますと,現時点でブートディスクに必要なファイルのコピーをしておく必要があります.表2にコピーしておくと便利なファイル群を提示しておきます.
 
表2:ブートディスクにコピーしておくと便利なファイル
XCOPY.EXE XCOPYコマンドのプログラム.

ディレクトリを丸ごとコピーする際に必要となるコマンド.

XCOPY32.MOD XCOPY.EXEを実行するのに必要となるモジュール.XCOPY.EXEと必ずペアでフロッピーにコピーしなければならない.
DELTREE.EXE DELTREEコマンドのプログラム.

ディレクトリを丸ごと削除する際に必要となるコマンド.

FORMAT.COM FORMATコマンドのプログラム.
FDISK.EXE FDISKコマンドのプログラム.
 
 FDISKやFORMATコマンドは他のブートディスクなどに含まれていれば,そちらで一旦起動して実行すれば良いでしょう.コマンドのみを他のフロッピーにコピーしておくということも可能です.例えば,何も入っていない起動ディスクでシステムを起動し,FDISKコマンドはWindows98のシステム起動ディスクのものを使用すると言ったことが可能なはずです.
 
 注意点として,使用するMS-DOSのバージョンにあったプログラムをコピーしておかなければうまくいかないことがあります.
 
 私の場合,FDISKやFORMATコマンドの実行の際には,以前使用していたWindows95用のセットアップディスクからPCを起動して使用しておりました.
  
(3) Workgroup Connection のインストール
 
 ここでは,画面を追って解説していきます.画面キャプチャを使用できませんでしたので画面そのままを紹介することはできませんが,文字情報は全て含めておきますので参考にして下さい.
 
 まず,作成したブートディスクでPCを起動します.Mebius PC-PJ1-M3 ではフロッピーディスクドライブが外付けですので,本体にドライブを接続してブートディスクから起動します.
 
 ここで少々問題があります.起動されたMS-DOS(Windows98と表示されるが.....)は英語モードであり,英語キーボードの使用を想定してあります(日本語ブートディスクが欲しいという方はこちら).Mebiusは日本語キーボードですから,記号が異なってきます.しかし必要となる記号はそれほど多くありませんから,御自身で対応関係をお調べ下さい (^^;.
 
 特に戸惑いが予想されるのが,パスの指定に必要となる「\」という記号でしょうが,これは英語圏では使用されない記号であり,対応する文字は半角の「\」(バックスラッシュ)です.この記号は日本語キーボードで「 ],},」,む,」の4文字が刻印されたキーをそのまま押すと入力できます.
 
 必要となりそうなものをその他いくつか紹介しますと,「:」(コロン)は日本語キーボードにおいて「;」(セミコロン)が刻印してあるキーをシフトキーを押しながら押すことによって入力できます.また「*」(アスタリスク)は,日本語キーボードにおいて「8」(ハチ)が刻印してあるキーをシフトキーを押しながら押すことによって入力できます.
 
 以下では,半角の「\」(バックスラッシュ)を「\」として表記していきますので,読み替えて入力して下さい.
 コマンドプロンプトが表示されましたら,作成した Workgroup Connection セットアップディスクをドライブに挿入し,プロンプトにて
 
A:\>setup
 
のように入力してリターンキーを押し,セットアップを実行します.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          Welcome to Setup for Workgroup Connection.

          Setup prepares Workgroup Connection to run on your computer.

          *  To get additional information about a Setup screen,press F1.

         *  To set up Workgroup Connection now,press ENTER.

          *  To quit Setup without installing Workgroup Connection,press F3
 
 
 

 

ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit  F5=Remove Color
 
 まずこのような画面が現れます.設定を継続しますのでリターンキーを押します.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          Setup will place your Workgroup Connection files in the
          following directory.

          if this is where you want these files,press ENTER.

          If you want Setup to place the files in a different
          directory,type the full path of that directory,and
          the press ENTER
 
 

C:\DOS
 
ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit
 
 インストールするドライブとディレクトリを指定します.デフォルトではAドライブのDOSというディレクトリが指定されていますが,実際にインストールしたいのはCドライブ(ハードディスク第一パーティション)ですので,「C:\DOS」(CドライブのDOSというディレクトリ)にインストールすることにします.
 
 すると
 
Please insert your
boot disk
into drive
A:
When ready,press ENTER.
 
というウィンドウが現れますので,作成したブートディスクを書き込み可能な状態にしてドライブに挿入し,リターンキーを押します.
 
 次に
 
Please insert your
Microsoft Workgroup Connection Disk
into drive
A:
When ready,press ENTER.
 
というウィンドウが現れますので,再度 Workgroup Connection セットアップディスクをドライブに挿入して下さい.
 
 しばらくすると次のような画面が現れます.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          Select the type of network card that is installed in your
          computer,and then press ENTER.
 
 No Network card
 Network card not shown on list below ...
 3Com EtherLink
 3Com EtherLink 16
 3Com EtherLink II or IITP (8 or 16-bit)
 3Com EtherLink III
 3Com EtherLink/MC
 3Com EtherLink Plus
 3Com Token Link
 Advanced Micro Devices AM2100/PCnet
 Amplicard AC 210/XT
 Amplicard AC210/AT
 .....etc.....
 
ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit
 
 使用しているLANカード用のドライバがこのリストに存在するのであればそれを選択しても良いのでしょうが,ここに掲載されているものは非常に古いですし,最近のLANカードはこのリストには含まれていないようですので,ここで用意したドライバを選択することにします.
 
 従って,ここでは上から2番目の「Network card not shown on list below ....(リストにはない....)」を選択して下さい.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          Please specify the location (path) of the OEM driver you
          want to use.

          If the specified path is correct, press ENTER. To specify
          a different path, type it, and then press ENTER.
 
 
 

A:\NDIS2DOS

 
 

 

ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit  ESC=Previous Screen
 
 使用したいドライバがどこにあるのかを尋ねてきますので,ドライバがあるディレクトリを指定します.Mebius PC-PJ1-M3の場合は,ここで用意したドライバ,つまり Workgroup Connection セットアップディスクにコピーしておいたドライバがあるディレクトリを指定してリターンキーを押します.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          Select the type of network card that is installed in your
          computer, and then press ENTER.
 
 
 
 RTL8139 Fast Ethernet Adapter

 
 
 

 

ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit  ESC=Previous Screen
 
 すると指定したディレクトリからドライバを読み込みます.複数のカードを指定できる場合はここにいくつかのカード名がリストアップされると思われます.適当なものを選んでリターンキーを押して下さい.
 
 上の例はMebiusの場合ですが,RTL8139のドライバを認識できていることがわかります.ひとつしかありませんから迷わずリターンキーを押します.
 
 セットアップが実行され,しばらくすると次の画面が現れます.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          COMPUTER NAME is the name that identifies which computer
          is yours. Choose a name that is unique in the workgroup.

          A computer name can have up to 15 characters, and can
          contain letters, numbers, and these characters:

              !  #  $  %  &  (  )  ^  _  '  {  }  ~
 
 

COMPUTER NAME: MEBIUS

 
 

 

ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit 
 
 コンピュータ名を入力します.適当なものを入力して下さい.上の例では「MEBIUS」としています.ここで入力される名前は,ネットワーク接続した際のコンピュータの名称であり,ワークグループ内でユニーク(重複なし)でなければなりません.
 
 以下の例では,ノートPCのコンピュータ名を「MEBIUS」とします.
 
 コンピュータ名を入力し,リターンキーを押すと次の画面が現れます.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          WORKGROUP NAME is the name of the workgroup you belong to.

          A workgroup name can have up to 15 characters, and can
          contain letters, numbers, and these characters:

              !  #  $  %  &  (  )  ^  _  '  {  }  ~
 
 

WORKGROUP NAME: HOME

 
 

 

ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit 
 
 ワークグループ名を入力します.適当なワークグループ名を入力して下さい.デスクトップ機と同じワークグループ名でなければなりません.上の例では,自宅ということで「HOME」としています.

 以下の例では,ワークグループ名を「HOME」とします.
 

 コンピュータ名を入力し,リターンキーを押すと次の画面が現れます.

 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          If all the options are correct, select 'The listed options
          are correct,' and then press ENTER.If you want to change
          an option, use the UP or DOWN arrow key to select it.Then
          press ENTER to see alternatives for that option.
 
 
 Computer name     : mebius
 User name         : mebius
 Workgroup name    : home
 Install Mail      : Install Mail files.
 Redirector        : Use the basic redirector.
 Pop-up key        : N
 Startup option    : Run Workgroup Connection and log on.
 Path              : C:\DOS
 Network Card      : RTL8139 Fast Ethernet Adapter
 Protocol Driver   : Microsoft NetBEUI
 
 The listed options are correct.
  
  
F1=Help  F3=Exit  ESC=Previous Screen
 
 ここでは,これまで入力したことを確認します.コンピュータ名,ワークグループ名がそれぞれ「mebius」,「home」となっています.もし入力を間違えていたら,UP,DOWNキーで選択してリターンキーを押すことにより修正が可能です.
 
 ユーザー名が自動的に「mebius」と設定されていますが,ユーザー名は実際の接続の際に変更可能ですから特にここで変更しなくても良いでしょう.ユーザー名はデスクトップ側がWindows95/98ならば適当で良いのですが,デスクトップ側がNTの場合はNTの方に同じユーザーが存在しなければなりません.詳細はこちらをご覧ください.
 
 表示されている情報が正しいようでしたら,表の最下段の「The listed options are correct.(リストは正しい)」を選択してリターンキーを押してください.
 
 
Setup for Workgroup Connection


  
          The settings for your network card are listed below. If all
          the settings are correct, select 'The listed options are
          correct'. Then press ENTER. If you want to change a setting,
          use the UP or DOWN arrow key to select it. Then press ENTER
          to see alternatives for that setting.
 
          Network Card : RTL8139 Fast Ethernet Adapter
 
 Drivername=rtsnd$
 Medium type=_Auto
 Network Address=@000000000000
 Node Address=@000000000000
 Adapter's Bus Number=0
 Adapter's Device Number=0
 Adapter's TX Early Threshold=5
 
 The listed options are correct.
  
  
F1=Help  F3=Exit  ESC=Previous Screen
 
 (上の例で「Adapter's」となっているところが実際の画面では「Adpater's」となっていました.綴り間違いと思われます.コピー&ペーストしたことがわかります(笑)).
 
 ここではネットワークカードの設定を確認します.ノートPCに装着されているカードによって設定は異なるでしょうから,カードに合わせて設定してください.

 Mebius PC-PJ1-M3 の場合,内蔵のネットワークカードに関する設定はデフォルトのままで良いようです.ただし,通信速度が「AUTO(相手に合わせる)」となっています.私の場合はデスクトップ機側で100baseTXと設定していましたからこのままでよかったのですが,もしデスクトップ機側もAUTOとなっている場合はどちらかで通信速度を決定しておくことをお奨めします.
 
 確認が済んで「The listed options are correct.」を選択してリターンキーを押しますと,次のウィンドウが現れます.
 

Please insert your
boot disk
into drive
A:
When ready,press ENTER.
 
 指示に従い,再度ブートディスクを書き込み可能にしてドライブに挿入し,リターンキーを押します.CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATが書き換えられます.
 
 
Setup for Workgroup Connection


 
          Workgroup Connection is now installed on your computer.

          Setup modified some settings in your CONFIG.SYS ant AUTOEXEC.BAT
          files. Your previous CONFIG.SYS file was saved as A:\CONFIG.001.
 

          You must restart your computer before you can use Workgroup
          Connection.

          *  To restart your computer, remove all disks from your floppy
             disk drives, and then press ENTER.

          *  To quit Setup without restarting your computer, press F3.
 
 
 

 

ENTER=Continue   F1=Help  F3=Exit                          Installation Complete
 
 ここまでたどり着けば,インストールは終了です.
 
 画面には「フロッピーを抜くように」と指示がありますが,今作成したブートディスクを挿入したまま再起動します.つまり作成したブートディスクからシステムを起動してください.
 
 接続と使用方法につきましてはこちらへお進みください.


接続と使用方法
 
 ここでは,実際にMS-DOSからネットワークに接続し,デスクトップ機のディスク資源を利用する手順と方法を記します.
 
 作成したブートディスクで起動します.次に初回起動時の最初の画面を記します.
 
 
Starting Windows 98...
 
 
Microsoft Protocol Manager version 2.1
Microsoft WorkGroups Driver Version 1.0
Copyright (C) Microsoft Corporation 1992
  Transport Hooks Enabled
 
Network Line Speed is 100 Mbps / Half_Duplex Mode
 
 
A:\>SET PATH=C:\DOS
 
A:\>C:\DOS\net start
Microsoft Netbind version 2.1
Fast Ethernet board's Ethernet Address:09001F04402E
Microsoft NetBEUI version 2.2
Type your user name, or press ENTER if it is MEBIUS:
 
 
 
 ユーザー名を聞かれます.デスクトップ機がWindows95/98の場合は何でも構いません.しかしデスクトップ機がNTの場合は,資源を共有できるようなユーザー名を入力して下さい.ここではNT側にMEBIUSというユーザーが存在するとして進めます.
 
 余談ですが,上の表示では接続速度が100Mbps/Half_Duplex となっておりますが,デスクトップ機(NT)側ではFull_Duplex(全二重)と設定しているにも関わらず,ここではHalf_Duplex(半二重)となってしまいます.しかし使用に際して何も問題がないようなのでそのままで良さそうです (^^;.なぜかデスクトップ側をWindows98で起動すると全二重になりました.謎 (^^;.
 
 次に
 
Type your password:

 パスワードを聞かれます.ユーザー名に対応するパスワードを入力して下さい.パスワードがない場合は何も入力しないでリターンキーを押して下さい.
 

Please confirm your password so that a password list may be created:
 
 パスワードの確認を求めてきますので,もう一度パスワードを入力して下さい.パスワードがない場合は再度何も入力しないでリターンキーを押して下さい.
 
 ここで問題が生じることがあります.正しく設定したにも関わらず,例えば次のようなメッセージが表示されることがあります.
 
Error 7210: There is no entry for the specified user in the [Password Lists]
section of the SYSTEM.INI file.
 
とか,net view コマンドを使ってみても
 
Error 12: The access code is invalid.
 
などと表示されてしまい,正常に動作しないことがありますが,それでもしつこく使ってみたり,再起動したりすると設定が間違っていなければなぜか動作するようになります (^^;.根気強く試してみて下さい.ログイン直後にもうまくアクセスできないことがありますが,このソフトを無料で使用させてもらっていることを考えると文句は言えません.

 うまく接続できたかな? と思った際は,コマンドラインで「net view」と入力してみて下さい.うまく行っていれば
 

Server Name         Remark


\\DESKTOP
The command completed successfully.
 
 と表示され,デスクトップ機のコンピュータ名が表示されているはずです.
 
 デスクトップ機が見えたのであれば,例えばコマンドラインで「net view \\desktop」と入力してみて下さい.デスクトップ機での共有資源の設定によって表示は異なりますが,例えば
 
Shared resources at \\DESKTOP
Sharename     Type          Comment


CanonBJC      Print         Canon BJC-400J (BJRSTR)
CDROMx24      Disk
FD            Disk
Programs      Disk
User          Disk
win98         Disk
The command completed successfully.

のように,共有の際に任意に付けた共有名が表示されています.上の例ではプリンタ,CD-ROMドライブ,フロッピードライブ,ハードディスクなどのデバイスです.プリンタに至っては,Canon BJC-400J などというコメントまで付いています(ばれてるぅ).
 
 ここで実際に必要になるであろうコマンド群を表3に簡単に紹介しておきます.その他のコマンドや,コマンド使用方法の詳細は「net help」と入力して参照して下さい.
 

表3:Workgroup Connection で使用する主要コマンド
NET VIEW [\\コンピュータ名]  オプションなしで実行すると,接続されているコンピュータ名を表示する.オプションにコンピュータ名を指定して実行すると,そのコンピュータの共有資源を表示する.
 上の例を参照.
NET USE [ドライブ名] [\\サーバ名 \共有資源名]  共有資源を使用できるようにする(マウント).例えば,
 
NET USE D: \\DESKTOP\CDROMx24
 
 デスクトップ機「DESKTOP」の共有CD-ROMドライブ「CDROMx24」を,自分自身のD:ドライブとしてアクセスできるようにする。尚,
 
NET USE D: /DELETE
 
のようにすると,D:として設定した資源を削除できる.
NET HELP [コマンド名]  オプションなしで実行するとコマンド一覧が表示される.オプションにコマンド名を指定して実行すると,そのコマンドについてのヘルプが表示される.
 
 表3にもあるように,コマンドラインで「NET USE D: \\DESKTOP\CDROMx24」と入力してリターンキーを押すと,次回から「D:」は「\\DESKTOP\CDROMx24」を指すようになり,あたかもローカル(ノートPC)に接続されているDドライブのように使用できるようになります (^-^).
 
 例えば\\DESKTOP\CDROMx24の下に「HOGE」というディレクトリがあって,その下に「HOGEHOGE.TXT」というファイルがあったとします.それをノートPCのCドライブにコピーしたいのであれば,コマンドラインにおいて,
 
copy D:\HOGE\HOGEHOGE.TXT C:
 
と入力してやることによって実現できます.普通のファイル操作となんら変わりません.いつものMS-DOSコマンドがそのままネットワークで結ばれた他のコンピュータのファイルに対しても同様に適用できます.当然なのですが,実際にDOSからネットワーク上の資源が操作できるとかなり違和感にとらわれるのは私だけでしょうか (^^;.不思議な感じ.
 
 さて,ここで一応 Workgroup Connection についての説明は終わりにしたいと思います.ようやくMS-DOSブートディスクからネットワーク接続が可能になりました.これを利用してWindows NTのファイルをハードディスクにコピーし,NTをセットアップする過程をこちらに記しました.Windows95/98についてはこちらを参照して下さい.

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